シキテン通信

自分の経験や想いを発信していきます。

本当に物乞いに、お金を渡してはいけないのか ー フィリピンで少年にお金を渡した話

 

途上国と呼ばれる国に足を運ぶと、物乞いしてる人たちをよく見かけます。

 

2年前、私は1年間フィリピンに滞在していました。

一度だけ、少年にお金を渡したことがあります。

 

 

 

物乞いへの先入観

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フィリピン出国前にはオリエンテーションがあり、そこでは物乞いされたときの対処法をそれぞれ考える時間がありました。

 

「お金をあげると周りの人たちも寄ってくるので、安全性を考え、あげない。」

「子どもにあげた場合、そのお金は親にいくことが多いので、実際にその子にあげたことにはならないことが多い。」

「食べものをあげるとその場で子どもが食べることができるし、親に渡ってギャンブルに使われる心配は少ない。」

などの回答があがりました。

 

 

途上国と呼ばれる国へは初渡航だったので、なんとなくテレビで見た様子や日本にもいるホームレスを想像し、当時のオリエンテーションの内容を頭に入れました。

 

『物乞い』と聞くと、ネガティブなイメージばかり思い浮かび、無視することが絶対であるかような風潮がある気がします。

 

それは、外国人はお金を持っているというイメージを持たれていることが大きな要因だと思います。なので、お金をくれるまで付きまとわれたり、罵倒されたり、身の危険を感じた経験をした人たちが数多くいることから来ているのでしょう。

 

 

物乞いに出会ったときの対処法

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何もあげてはいけないと頭の中で考えながらも、目の前にいるこの人たちに何の助けも差し伸べられないのかという衝動に駆られます。

初めて物乞いする人々と出会ったとき、本当に手が震えたのを覚えています。

 

でも、何よりも命が最優先です。トラブルに巻き込まれないことが重要。

 

物乞いへの対処法は、以下が一般的だと思います。

 

・無視をする

・お金もモノもあげない

・「お金はない」と現地語で伝える

・何かあげる場合は自己責任

 

簡潔に言うと、かわいそうと思わないことが大切なのではないかと思います。

 

どんな冷たい人間なんだと思われるかもしれません。

 

確かに恵まれない境遇の人々ですが、1日十何時間も物乞いをする生活を何年も続けている時間があれば、働くために職を探すこともできます。

 

また、良かれと思って子どもにお金を渡したはずが、食べ物ではなくシンナーやドラッグを購入してしまう可能性も多くあります。お金をあげてしまうことで、子どもたちが社会復帰から余計に遠のいてしまうんです。

 

もちろん全てがマイナスになるわけではないですが、

これらを頭に置いておけば、物乞いする人々に出会ったときに自分が取る行動の選択ができるかと思います。

 

 

私がフィリピンで過ごしていた当時、物乞いしている子どもたちに何かあげた経験はすごく少なかったです。あげたとしても、食べものがほとんどでした。

 

でも一度だけ、お金をあげたことがありました。

物乞いしている子ではなく、施設の子どもにです。

 

 

お金をあげた背景

17歳くらいの男の子。

フィリピンでこの年齢になると基本的に英語がペラペラです。施設ではそうはいかない子どもたちが多いのですが、この子は英語が堪能で頭が良く、積極的に話しかけに来てくれ、良い関係を築けていました。

 

9月末の施設のイベントの際、隣で現地語の通訳をしてくれました。

終了後もそのまま2人で話していると、彼がいくつか打ち明けた話があります。

 

まず、彼自身がゲイであること。

そして彼の家庭の話。なぜこの施設に入ることになったのか。

 

彼が語ったのは、マイノリティに属する人々の生きづらさでした。

 

彼の父親は息子がゲイであるとわかった瞬間から、彼を自分の息子だと認めなくなり、父親とは別々に暮らすように。

母親には息子として大切にしてもらっているそうですが、今は会えるのもクリスマス前後の年一回。しかも昨年は来てくれなかったそうです。

 

それ以来、自分の存在意義がわからなくなった彼は、ポルノ動画に出演するようになりました。

 

父親は彼がゲイであることに加え、ポルノ動画への出演を知り、父親以外の家族との同居も許可しなくなりました。そして、この施設に入ることになったそうです。

 

ここでは家庭環境が整えば元の家庭に戻ったり、受入先が決まればそこに引き取られたり、それぞれの状況に応じて施設で過ごす時間は異なります。

 

施設でもやはり恋愛もあるようで、彼にも好きな人がいたそうです。

 

「その人は来週施設を出て行ってしまうため、気持ちを伝えたい。その日におしゃれをするためにいろんな準備をしたいが、施設のソーシャルワーカーが外に出るのを許可してくれない。お金の管理も自分でできるのに、施設側で管理され、お願いしても今は渡さないと言われた」と話してくれました。

 

最初は彼の話を聞いていただけでしたが、次第に『お願い、力を貸して』と言われるようになりました。その後も彼の置かれている状況の悲惨さやと伝えられ、彼に協力しようにも何をして欲しいのかよくわからず、結局私にどうして欲しいのかを彼に尋ねました。

 

彼の主張は、「おしゃれのための香水を買いたいが、お金が手元にないから協力して欲しい」ということでした。

 

香水は持ち合わせていなかったため、買うしかなかったのですが、買ったところでどうやって渡すのか。私が次来るのは来週で、その頃には好きな彼はもう施設を出てるため私に頼っても何もできないだろうと伝えました。

 

ここでようやく彼の真意がわかりました。

私にお金を借り、警備員に頼んで香水を買ってきてもらう(警備員とは仲が良いし、いつくか前例があるそう)。

要するに私にして欲しいことは、彼にお金を貸すことでした。

 

それを聞いた時は『そういうことだったのか!』とすぐに財布を開けました。

しかし、いざお金を手にしたとき、ふと物乞い風景が頭をよぎりました。

 

なぜこれまで私がお金を渡さなかったのか。お金を渡すという行為は変わらないのに、なぜ彼には渡せて路上の人々には渡せないのか。友人だから?事情を知ったから?

 

頭によぎったのは一瞬でしたが、はじめ手にしたお金よりもだいぶ少ない200ペソ(約500円)を渡すことにしました。彼は少し少ないと言いましたが、必ず返済することを約束し、感謝を伝えてくれました。

 

 

その日の帰り道、あれはやっぱり違ったんじゃないかと自問自答を繰り返し、帰宅後も友人たちに話をしました。

 

『でも、彼の置かれている環境や心境を考えるとなんとかしてあげたいと思うし、500円くらい大した金額じゃないし、寄付したと思えばいいんだ…。』

そんな心境でした。

 

 

お金の行き先 

案の定、次に施設に行ったときには担当の先生に呼び出され、話をされました。

 

『彼がお金を返せるわけがない』

『彼が欲しかったのは香水ではなく、女性ホルモンを増殖させる薬だった』

 

 

真の用途は衝撃的でした。

 

先生やソーシャルワーカーは、彼にお金を渡せば薬に使うことを知っていたため、お金を管理していたそうです。

 

以前も訪問者にお金をもらい、薬を購入したことがあったため彼をチェックしてはいたけど、イベントで人の出入りが多く、目が行き届かず申し訳ないと伝えられました。

また、自分の過去を話し相手の同情心を買い、お金をもらうことが彼のやり方であることも知らされました。

 

そしてお金を要求してくるのは彼だけではなく、このようなやり方は施設の子どもたちに共通していることなので、これ以降絶対にあげないようにと注意を受け、その時間は終了となりました。

 

もし、ソーシャルワーカーが気づかずに、彼がホルモン増殖の薬を買っていたらと思うと、とても怖くなります。

 

 

この経験から得たこと

彼に裏切られたような悲しさでいっぱいでした。

 

でもそれよりも、これまで感じていた物乞いへの対応、お金を渡すことでどんなことが起こるのかを違う視点で考えられる機会となりました。

 

フィリピン人も、物乞いに厳しい態度を取る人もいますし、お金や食べ物を渡している人もいます。

 

経験上、子どもに食べ物を渡したとき、他の子どもが寄ってたかって物乞いしにくることはなかったです。仲良くなったこともありました。

 

 

セブのスラムで見た光景から考えると、「外国人を見たら『マネーマネー』と言うこと」が癖になっているだけなような気がします。

 

それでお金がもらえればラッキーだし、いつももらえないのでそんなに期待していない。そんな印象を持ちました。

 

 

結局お金を渡すことは… 

正しくないし、間違いでもない。

正義でもないし、悪でもない。

のかな、と思います。

 

自分の判断で、お金なりモノなりをあげていいと思います。

 

でもそのとき、意図と違った使い方をされると自分の取った行動に責任を感じるし、現地の人に注意されるかもしれません。 

 

責任が伴う行為ですが、いろんなことを目で見て、肌で感じることで、新たな価値観に出会えるのだと思います。

 

くれぐれも安全第一で!!!

 

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どんな過去の経験も、私たちの力になって還ってくる

 

必死に努力して、これまで自分がしてこられたような

 勉強を将来、弟2人にさせてあげたい。

 

インターン先で最も親しかった15歳の女の子は、

目指す将来の夢の先をこう語ってくれました。

 

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前回の更新からしばらく滞ってしまってました。久々の更新です、元気にしてますシキタです。

まだまだフィリピンの話いきます!

 

 

 

マニラ首都圏の子どもの村

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フィリピン大学に通っている期間に、Nayon Ng Kabataanという施設でインターンシップをさせていただきました。

 “Nayon Ng Kabataan”はタガログ語で、日本語に訳すと『子どもの村』という意味になります。

 

社会福祉開発局(DSWD:Department of Social Welfare and Development)が管轄する子どもの総合教育保護施設で、ここには小学生~高校生(18歳)までの子どもがいます。

行政での活動許可取得、ここも保護観察局の繋がりのおかげで活動させていただくことができました。

 

ここで取り組んだのは、大きく3つです。

・授業の補佐

・日本文化教室

・生徒へのインタビュー

 

日本文化教室は、2学年の授業を同時進行している先生の元で、簡単な日本語での挨拶や折り紙(実際私ができるのってこれぐらい、、)を教えました。

生徒の数に比べて先生の数が足りてないので、複式学級という形にはなっていますが、片学年にしか手が付けられないのが現状です。課題を出しても時間が余ってしまうので、その時間を活用させてもらっていました。

 

クリスマスシーズンにはサンタクロースとクリスマスツリーをみんなで作りました!

(先生たちめちゃくちゃ写真撮るのに、全然もらってない…笑)

 

 

インタビューを通して見えた生徒の多様なバックグラウンドと将来への影響 

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Nayon ng Kabataan in Mandaluyong City—a haven for abused, orphaned, and exploited children in the Philippines.

 

ここの施設には、孤児、虐待を受けた子ども、自身が罪を犯した子どもなど、それぞれ違ったバックグラウンドを持った子どもたちがいます。

 

そこで、インターン期間終盤に、生徒たちに一対一でインタビューをする時間をもらうことができました。

子どもの貧困についての学び深めていくために、ここの生徒たちが施設や自分自身に対してどんな感情を持ち、夢に対してどんなことをしようと考えているのか、生の声を聞きました。

 

限られた時間のなかで、実際に5名の生徒に話を聞くことができました。

 

インタビューした内容はこんな感じです。

・何年くらいこの施設にいるのか

・兄弟や家族関係

・将来の夢

・なぜそうなりたいのか

 

 

誰かのために努力することができる

インタビューしていた中で印象的な答えが多かったのが、『なぜそうなりたいのか』のときでした。

 

聞いた5人に共通していたのは、

人のために何かを達成したいと、将来を見据えているところです。

 

将来、宇宙飛行士・観光業関連・先生の3つのどれかになりたいと答えた12歳の女の子は、『“Children of god”として人々を助けたい』という想いが根底にありました。

 

「これまでたくさんの人に助けてもらってきたので、その恩返しがしたい。」

こんな言葉が12歳の女の子からさらりと聞けるなんて、、。 

 

過去経験の将来への影響 

『自分の考え方は、全て過去の経験や環境からきている』と聞いたことがあります。

過去経験は、私たちの将来にどう影響するのか、今回のインタビューを終えて考えてみました。

 

ここの生徒たちの過去の経験は、この施設に送られる前の生活です。

質問しなくても、自然と生徒たちはこの施設に来た経緯を話してくれました。 

 

「孤児なので誰が父か母か、兄弟がいるかさえもわからない。」

「義父に家庭内暴力を受け、施設に送られた。」

「母は他界し、父は刑務所にいる。」

 

私が想像していたよりも、彼らの過去の経験は壮絶なものでした。

 

しかし、どんなに複雑な環境に置かれていても、子どもたちは目をきらきらと輝かせて自分の夢を語ってくれます。

そんな姿を見ていたら、将来や未来は自分の努力・気持ち次第で大きく変わるものだと確信させてくれました。

 

過去のネガティヴとも言える経験は、必ずしも未来にネガティヴな影響を与えるものではないと思います。もしかすると、その逆境から抜け出すための努力・思考が、過去経験として積まれていき、彼らのような優しく暖かい心を持った生徒たちを作り上げたのかもしれません。

 

 

子どもたちはたくさんのことを教えてくれる

冒頭に記載したのは、インタビュー時に心の暖かさを象徴すると感じ、とても印象に残った言葉です。

 

日本文化が好きで、施設に来るたび本当に仲良くしてくれた15歳の女の子。

『将来シェフになるために、大学に行きたい。でも自分には、弟が2人いて、1人は手術が必要な重い病気。もう1人は喘息持ちで、どちらも病気が原因でなかなか学校に通えていない。

だから自分がしてこれたような勉強を将来、弟2人にさせてあげられるように自分が努力したい。』 

 

今回はフィリピンという、国も違えば、置かれている状況も異なる子どもたちに話を聞きました。

 

施設ひとつ取っても、一人ひとり置かれている状況が違います。生徒の話も、本当にほんの一部です。

でも、子どもたちが口にする言葉からは、学ぶことがとても多いです。

価値観を見直させられたり、歳を重ねるにつれて忘れてしまったことを思い出させたり。

 

これまで経験してきたことは人それぞれ違うものですが、そのどれもがその人にとって強みとなって蓄積されるものだと思います。

どんなこともどんな人も受け入れられる心の豊かさを、もっと自分の中に育ませ続けたいと思った出来事でした。

 

たくさんの学びをくれた生徒たちの未来が楽しみです!!

 

子どもたちにとって幸せな家庭環境ってなんだろう

 

こんにちは。シキテンです。

 

最近気温が下がってきて、もう秋なのか?!秋なのか??!?!とうきうきしています。

東南アジアやアフリカ行ったからか、夏大好きキャラだと思われてるみたいですが、夏嫌い暑いの大嫌いです。笑

 

フィリピンで過ごした1年は、熱中症にならないために、『食べないと死ぬ』と言い聞かせて食べ続けた結果、6キロ太って帰国することになりました。

でも、フィリピン人からは『健康的だしセクシーだからいいね』って言われてたから、いいんです。

 

 

そんなフィリピンの1年で学びの多かった場所は、フィリピン大学だけではありませんでした。

 

活動先の孤児院と子どもの総合教育保護施設。そのどちらともで、今でもその時の感覚感情が思い浮かべられるほど印象的な経験をしました。

 

 

 

孤児院ボランティア

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施設内に飾ってあったもの。とてもきれいな言葉。

 

UP滞在中に、White Crossという孤児院でボランティアをさせていただきました。

保護観察局の方の繋がりで紹介してもらい、6月から翌年の1月まで活動していました。

 

一般的な孤児院で、0歳から6歳までの子どもがいます。ボランティアは人手不足のドミトリーに配置されますが、私の場合は、開始時は0~1歳の乳児で、後半は基本的に3~4歳のドミトリー を担当しました。

 

 

架け橋を目指して

もともと子どもの貧困に興味があり、 フィリピンでの1年間は、子どものに関わる活動をしたいと計画を練っていました。それが孤児院でのボランティアを希望した理由です。

 

大きな目標は、社会的に弱者と呼ばれる立場の子どもたちと関わり、インターン先とのつながりと活かしたり、日本をはじめ世界のことを子どもたちに知ってもらったりすることで、社会と子どもの架け橋になることでした。

 

対象としている現地の子どもたちと関わる場所は、クライアントの子どもたち、ストリートチルドレン、施設にいる子どもたちなどいくつかあり、そのうちのひとつである孤児院で活動させていただくことを決めました。

 

 

子どもたちとの関わり

施設には0歳から6歳までの子どもがおり、私は、開始時は0~1歳の乳児で、後半は基本的に3~4歳のドミトリーを担当しました。

 

乳児のドミトリーでは、保育園と同じような感じで、おむつを替えたり、ミルクをあげたり、泣いたらあやしたり。親族が近くに住んでいないこともあって、私にとって初めての経験ばかりでした!私もすぐにママになる準備ができた…かもしれません(笑)

 

3~4歳のドミトリーは、乳児とは全然違い、はじめはとても驚きました。子どもの成長は本当に早いものですね。

4歳になっている子は、平日午前中は施設内にある保育園に行き、戻ってくるまでは3歳児たちと遊んだり、DVD観ながら英語を教えたりしていました。戻ってきたら、お昼を食べて、お昼寝。しばらく起きないので、基本的に午前中から行ってお昼寝までで活動終了というかんじでした。

ここのドミトリーに入る度に、『アテカンナ~!(かんなお姉ちゃん)』と駆け寄ってくる姿は可愛すぎて、今でも鮮明に頭に思い浮かべられます。

 

 

弟のような我が子のような存在

ちょうど帰国直前、White Crossに来れる日も片手で数えられる日数になったころ、一番に私に駆け寄ってきたり、来た途端ずっとべったりしてきたり、本当にかわいかった3歳の男の子が養子になることが決まりました。

 

その週だけ曜日を変更していたので、養子として送り出す儀式にも参加することができ、ラッキーだったのかもしれません。

 

 

 

 

 

生まれる場所、育つ環境は子どもには選べない 

これだけはどうしても選べないもの。

 

恵まれた環境で育てられる子がいることも、道で拾われた結果孤児院で育てられる子がいることも事実。

 

どの環境でも幸せといえること、そうでないことがあると思います。

 

孤児院と路上生活で以下のことを考えるとき、

・家族もしくは親戚と離れて暮らすが、食事が提供され、孤児院にいるスタッフや友人がまわりにいる

・路上でその日の食事もままならない生活だけど、家族や親戚と一緒に暮らすことができる

ってなかなか難しいし、比べられないことなんですが、当時はどうしても考えてしまっていました。

 

 

みなさんはどのように考えますか。

結構気になります。

 

 

子どもたちはどんなに厳しい環境でも、屈託な笑顔を見せ、元気に力強く育っていきます。

そんな彼らの笑顔を見て、なにもできていない自分の無力さを本当に実感しました。

当時できたことは少なかったけど、子どもと社会の架け橋になるために、今も、これからもできることをもっと追求していきたいと思います。

 

 

フィリピン留学って語学学校だけじゃない。フィリピン聴講生の魅力

 

こんにちは。シキテンです。

 

最近暑すぎてなにもかものやる気を失いかけていました。

 

久々なので少し整理すると、2017年度は1年間フィリピンに滞在していました。

半分は保護観察局でのインターン、残りの半分はフィリピン大学で聴講しながらボランティアをしていました。

 

振り返ってみると、授業の開始は8月7日、もう2年以上前!

フィリピン大学で出会った人たちのは今でも連絡取ってるし、当時の留学生でこれから日本に留学に来る人も!2年間の月日が経過するのが早すぎます、、。

 

 

 

 

フィリピン大学での聴講

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(AY 2017-2018 1学期のInternational Students)

 

フィリピン大学(通称U.P.)の授業は1学期が8月から始まります。そこからは基本的に大学に滞在し、活動していました。

 

といっても、UPに単位認定してもらっても、自分の大学に単位還元されるわけではなかったので、興味のある分野やクラスメイトと交流のありそうな授業をいくつかだけ取り、平日もボランティア活動をメインに行っていました。

 

履修した授業

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・Comm3 ←UP行く人いたら、絶対に取るべき!

・Fil3(Filipino 3)

・LA11(Landscape Architecture 11)

 でした。

 

Comm3はCommunication English 3(だったかな)の略で、主に英語スピーチに特化した授業です。フィリピン大学のレギュラー生は必修なので、ほぼ毎日開講されており、自分に合った先生や都合の良い時間を選ぶことができます。

 

Fil3はフィリピン語の入門で、基本的に留学生が取る授業でした。数字は小さいほうから入門、大きくなるにつれて応用になってきます。上級者は留学生であってもFil100とか取っちゃうみたいです。

 

LA11は、その名の通りランドスケープデザインの授業でした。1年生のころからランドスケープに特化した授業ばかりが受けられるのは、その分野のスペシャリストになれそうですよね。

 

本当はもうちょっと履修する予定だったのですが、もともとUPの授業が基本的に週2回あること(火木と水金)と、LA11が3時間を超える授業で課題も多かったのでこの3つにしました。日本で大学生してたらありえないくらい少ないですが、、笑

 

もっと詳しい内容は、今度書けたらいいな~と思ってます。

 

 

フィリピン大学は魅力いっぱい

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数あるフィリピンの大学のなかで、UPに通って良かったと思うところを考えてみました。他の大学に在学した経験がないので、これはほかでも同じだよいうものかもしれませんが、、

  1. 授業や先生からだけでなく、学生同士で学び合うことができる
  2. トップレベルの学生たちとトップレベルの授業を受けることができる

  3. 学内でのイベントをはじめ、学外でも活発に活動ができる

  4. 授業料が安い(留学生は1単位あたり1500ペソ!(約3000円))施設費を含めても本当にお得。

  5. 大学内になんでもある(寮もカフェもご飯屋もクリーニングもランニングコースも)

 

本当になんと言っても一番の魅力は、1にも記載したように、フィリピン大学に通っている学生です。優秀なだけでなく、LGBTをはじめ少数派を認め合う広い価値観を持っているし、政治にも積極的で、何ごとにも全力だし、言い始めたらキリがありません。

 

授業で得た知識はもちろん、フィリピン大学の学生や先生、フィリピン大学の留学生と出会い、ともに過ごした時間は本当にものすごく充実したものでした。

 

 

語学学校より大学での聴講を推す超個人的な理由

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私の個人的な意見ですが、語学留学が目的であっても現地の大学(選ぶならフィリピン大学)に行くことでコストを抑えつつ、語学学校以上のものが得られるんじゃないかと思ってます!

 

特に感じるのは、学生の英語がとってもきれいなところです。フィリピンの第一言語はフィリピン語ですが、若い人は特に(自分の経験から)本当にネイティブと変わらないくらい、なまりがない綺麗な英語を話します。

 

現地の大学って英語がもともとできないとだめなんだろうと億劫になるかもしれませんが、英語初心者用の英語クラスもありますし、すごい量の課題をこなしていたらいつの間にかできるようになってます。課題が多すぎて危機感しか芽生えないです(笑)

 

 

 

そして、UPは提携校が多いので、ヨーロッパからの留学生、アメリカから来た院生など、現地人に加え多くの留学生を関わることができるのも魅力のひとつです。

 

語学学校で一緒に英語を頑張るのも楽しいですが、ネイティブたちと英語で学ぶのもまた新しい楽しさがあります。

わからないと言えば、難しい表現を使われたときは優しく教えてくれたり、英語でヨーロッパのいくつかの言語を簡単に学べたり。プラスアルファの魅力がありますよ!

 

 

総じて、フィリピン大学オススメ

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なんかめちゃくちゃ宣伝みたいになりましたが、フィリピン大学生活が楽しかったのでこうなっちゃいました。

私が答えられることは答えるので、興味ある人はぜひ!!!

 

フィリピンでの1年 — 保護観察局でのインターンシップ②

 

こんにちは。シキテンです。

 

前回に引き続き、フィリピンでの活動・主に保護観察局でのインターンシップについて紹介していきたいと思います!

 

活動内容は主に3つ

1. TC(Therapeutic Community)視察・補助

2. イベント補助

3. クライアントとの対話

4. その他(短期間・数日のみ実施したもの)

 

今回は下の2つについてです。

 

 

クライアントとの対話

 

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ただの対話?

実は当初、クライアントの生活状況や家族構成、社会復帰後の希望進路などに関するアンケートを実施したいと思っていました。

 

目的は、個人を特定したり収集した情報を公開したりする予定はなく、保護監察局に対するより深い理解、生活環境による犯罪発生率、保護監察局に対してクライアントが求めるものを明確にすることでした。

保護観察士でもなく、クライアントでもない自分だからこそできるような活動や、活動を意味のあるものにしていきたかったのが私の考えでした。

 

完成したアンケート用紙を担当者に見せ、実施の許可を取ろうとしましたが、、、

もちろん許可は下りず。

 

そりゃそうです。

行政機関が安易に個人の情報を外部に漏らすことはできないし、さらにいうと仮釈放、保護観察でもうすぐ社会復帰できる人たちの情報を、もし誰かに悪用されるなんてことになったら大問題です。

 

ですが、アンケートではなく、聞きたいことをおしゃべりで聞くことは全然構わないよと言ってくれました! なので期間中は、アンケートする予定だった項目を聞いたり、質問に関係なくおしゃべりを楽しんだりしました。

 

使用することはできませんでしたが、こんな感じでアンケートは作成しました。

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その他(短期間・数日のみ実施したもの)

単発で行ったことのほうがなんだか印象にしまうことって多い気がするんですけど、そういうものなんですかね。本当にどこに行ってもまわりの人に恵まれて、幅広い経験を積ませていただきました!

 

刑務所訪問

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Quezon City、Mandaluyong City(6月からの配属先)、Cebu City、Muntinlupa Cityなどの留置所、拘置所、刑務所を訪れることができました。

 

※ちなみに、留置所・拘置所・刑務所の違いは、以下のようになるそうです。

留置所:警察に逮捕された人が最初に入る場所

拘置所:送検されてから裁判で刑が確定するまで入る場所

刑務所:裁判で刑が確定した人が入る場所

 

保護観察局は日本の保護局ととても繋がりが強く、何人もの現地職員が日本でトレーニングやセミナーを受けた経験があります。

実際に日本の刑務所を訪問したことがないので、フィリピンの刑務所の様子は私の目で見たものを、日本の刑務所についてはフィリピン現地職員の話をもとに書いていきます。

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ここでTCやミーティングなどを行います

 

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名古屋ウエスライオンズクラブと共に実施したプロジェクトだそうです。設計者がなんと安藤忠雄さんでした!


 

刑務所と聞いたら、暗がりや工場労働、酷い扱われ方などを想像するでしょうか。

フィリピンの刑務所は、刑務所内とは思えない明るい雰囲気で、ひと言でいうと『ひとつのまち』のような感じがしました。

 

Mandaluyong Cityにある女性刑務所に訪れた際、信頼されている収容者は何人もいて、そのうちの一人が施設をひとつひとつ案内してくれました。

 

電話コーナーは離れている家族と連絡を取ることができるように、毎月限られた時間だけ使うことができます。

 

そしてキリスト教徒の多い国なので、敷地内に教会があることはもちろん、なんとバスケットボールコート、パン屋、串焼き屋(ストリートフードでよくある店)、クラフト販売店などが、刑務所内にあります。お店で販売しているものは購入すし、お土産として持ち帰ることができます!クオリティは外のお店とほとんど変わりません。 

 

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スタッフが私に買ってくれました!!今も付けてます!

収容者はクラフト作成やスナック販売によって収入を得ることができ、そのお金は貯蓄に回したり、必要な材料を買ったり、家族との電話代に使ったりしています。

刑務所内でもプチビジネスが成り立っているんです。

 

 

セブシティオフィスでの1週間インターン

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2017年の2月後半から滞在し始めたフィリピンでの生活も、終わりを迎え始めたころ、せっかくだから別の地方の活動も見てみたいと思い、2018年1月にRegion7-セブ・ボホールエリア(フィリピンでは、Region1から13とNCRの14地方に分かれています)のオフィスで1週間インターンをさせてもらうことになりました。

 

別地方のインターン先としてセブを選んだ理由は3つ。

1.首都圏と地方での犯罪率やクライアントの様子、活動の比較をしたい。場所は田舎すぎず、移動しやすいところにしたい

2.セミナーや会議などで、よくセントラルオフィス(保護観察局の本部で、私の滞在場所)に来ていた人が多く、知り合いも多かった

3.1月第三日曜日にセブで、フィリピンで最も大きなキリスト教の祭典『シヌログフェスティバル』があるので、ついでにそれも見たい

 

マニラでは、安全管理の厳しさゆえに経験できなかったことも、セブでは(少し緩くて?)経験させてもらうことができました。

 

インターン開始の前の週の金曜日にマニラを出発し、まずはボホール島へ。

ボホール島には2つのオフィスがあり、そのうちのひとつに連れていってもらい、挨拶させてもらいました。そのあとと土日は、ボホールオフィスの方々が観光に連れていってくれました。観光系はまた後日紹介します。

 

月曜日にセブに移動し、まずは挨拶と予定決め(メールでやり取りしてても、結局は会ってからじゃないとってやつですね)。本当に短期間で濃い経験をさせていただきました。

火曜:Cebu City オフィス No.1のTC参加

水曜:Cebu City オフィス No.2のスタッフと家庭訪問

木曜:女性刑務所訪問

金曜:法廷審問

 

次の週の火曜までセブ付近で人に会ったり、観光したりしていました。分けて紹介します!

 

 

法廷審問

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フィリピンの馬車『カレッサ』に初めて乗ったとき



裁判所での公聴を一度だけ経験することができました。

連れていってもらえた保護観察士の方の両親が裁判所で働いていたので、裁判室以外の場所も案内してくれました!

  

私が公聴できたのは、ある程度軽度のもので、今回は最後の回だったこともあり、議論もなくスムーズに終わりました。ニュースで再現されているような裁判をイメージしていたので、意外でした。

 

 

家庭訪問

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壁と壁の細い隙間を通って、クライアントの家に行きました

 

唯一セブで行うことができた家庭訪問。新しいクライアントや、TCに出席していない人の家庭に訪問することが多いそうです。

 

家庭に訪問すると言っても、自分の家を持っているクライアントは少ないです。この日は、スラム街や共同墓地に住んでいるの3人クライアントの家に訪れました。

 

家庭訪問を行う前に、現地のバランガイ(村)に挨拶し、バランガイポリスや移動車などを手配してもらいます。

これは安全上の理由と、バランガイで働く人たちのほうが地元のことをよく知っているので、住所が正確でない場合や住所がない広場のような土地に住んでいる場合でも、クライアントのところまで辿り着きやすくなります。

 

家庭訪問では、普段の会話からはわからなかった日常生活の様子や、近隣住民とか関係・評判なども伺うことができました。

 

訪問したうちの一人は、過去に罪を犯し保護観察となっているにもかかわらず、また行ってしまったことを認めました。その背景には、娘が妊娠してお金が必要であったが、周りに頼れる人がいない状況がありました。

 

生活環境が良くなる人たちが増えている一方で、現地の人々も抱えている難しい問題です。日本で暮らしている私たちは、経験するようなことがない家で暮らし、一生懸命働いている人たちばかりです。

 

しかし、そんな状況でも犯罪に手を染めることは決して許されません。

周りに頼れる人がいる環境づくり、政府が手当てを厚くするなど言うことは簡単ですが、実現はなかなか難しいです。

 

彼らが生きていくために、犯罪以外の手段でどうやって救っていけるのか。問い続けることで少しは変わっていくのでしょうか。

 

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Cebu Cityオフィスでお世話になったスタッフの方々


セブは、マニラの次に大きな都市で、日本人をはじめとした多くの観光客が訪れる観光スポットです。都市は発展しているし、きれいな海もおいしいごはんもあります。

 

ですが、イスラム教徒が差別を受けている地域や、たくさんのスラム街、見えないところにこんな現実があります。

キラキラしているように見える海外ですが、どこの国にもこのような状況はあり、彼らのセーフティーネットをどう確保していくかがとても重要になってくると思います。

 

しかし、厳しい環境に置かれていても、明るく楽しく毎日を生きている人々の笑顔は本当に素敵です。一緒に話をしながらそんな笑顔を見ていると、このままでいいのかもしれないと思うこともあります。

 

だからこそ私たちが一人でも多くその状況に目を向け、押しつけでなく、彼らの力で目指していく社会になるよう行動していくことで、何かが確実に変わっていくはずだと信じています。

 

フィリピンでの1年 — 保護観察局でのインターンシップ①

 

こんにちは。シキテンです。

 

前回は、1年間滞在したフィリピンでの活動先を紹介しました!

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小学校に色鉛筆を届ける活動

 

今回は、私が保護観察局でどんな活動を行ったのかとそこでの気づきを紹介したいと思います。

 

活動内容は主に3つ

1. TC(Therapeutic Community)視察・補助

2. イベント補助

3. クライアントとの対話

4. その他(短期間・数日のみ実施したもの)

 

 

保護観察局には1年間お世話になりましたが、毎日活動していたのは7月末までの、約5か月間でした。

8月からは大学での聴講を開始して、さらに活動先を広めました。

 

保護観察局がどんな機関であるかやTCがどんな役割なのかは、前回の記事をご覧ください!

shikiten.hatenablog.com

 

今回は上記2つ。

次回は、刑務所訪問やセブオフィスでのインターンなどを紹介したいと思います。

 

 

 

TC(Therapeutic Community)視察・補助

インターンシップを開始して4か月で、メトロ・マニラのほとんどのオフィスに訪れることができました。

 

TCはクライアントの社会復帰に向けたプログラムとして、保護観察局で実施しているものです。オフィスごとになんとなく、TCの雰囲気が違う感じがあります。

 

基本的にレクチャー形式のものが多いですが、ワークショップ型のもの、グループワークなども組み込まれ、クライアント同士の繋がりが生まれます。

(プライバシーの問題で写真が載せられないです…)

 

私の活動

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英語からタガログ語に通訳してもらっています

 

毎月クライアントが集まるこの時間に私も何かできないかと考えていると、

日本語を教えてほしいとのリクエストがあったので、はじめにお世話になっていたケソン市オフィスで、簡単な日本語を教えることになりました。

 

月に一回、しかもケソン市オフィスにいたのは7月までだったので、ほんの数回しか実施することができませんでしたが、教えた日本語で話しかけてくれたときは、本当に嬉しかったです。

リクエストがあり教えたのは、『あなたが好きです』と『愛してる』でした。さすが、情熱の国フィリピンです。

 

 

イベント補助

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毎月行われるTCとは別に、各オフィス半年に一回ほど、イベントが開かれることもあります。

  

スポーツフェスタ、植栽活動、医療提供イベントなどに参加させてもらいました。

もちろんクライアント向けに開催するイベントがほとんどですが、クライアントの家族も参加できるものも多いです。

 

 

イベントの必要性 

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更生活動に、なぜスポーツフェスタや植栽活動といったイベントが必要なのでしょうか。  

  

それは、非日常空間でリフレッシュしてもらい、生活の質を向上させるためです。

普段クライアントは、自分や家族のために働いているため、しっかりとリフレッシュする時間がなかなか取れません。体を動かしたり、地元の小学校でのボランティア活動をしたり、地方で緑に多く触れたりすることで、精神的充足をもたらす時間を確保しています。

 

 

医療の重要性

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医療提供は特に重要になってきます。

クライアントは働きづめで、怪我や病気になっても病院に行く時間がなかったり、病院に行こうにも治療費や入院費を払うことが出来なかったりすることが原因で、医者にかかることを諦めてしまうケースが多いです。

 

保護監察局が無償で医療への機会を用意することで、自分の健康状態をチェックすることができるようになります。

 

またクライアント自身が把握するのみならず、保護監察局側も把握することができるので、今後必要なプログラムや対処を的確に行うことができます。

 

このケソン市オフィスのイベントは、ラジオ局と共同で行ったため、ラジオ局に加えいくつかのテレビ局の取材も入り、一般的にも注目されたものでした。

 

 

 

まとめ

 

信頼関係を築くこと

イベントやTCの際にはいつも、昼食やスナックが提供されます。食事が付いてくるとなると、なんかお得なので、参加したくなりますよね。

 

一食もとれない状態にいるクライアントはほとんど見かけませんでしたが、中間層に比べると厳しい状況にある人々ばかりです。

安心して社会復帰させるためには、定期的な面談やTCの参加が重要になってきますが、現実はなかなか思い通りには行きません。

 

参加するきっかけは理想のものではないかもしれないですが、はじめは食事目的でも良いのではないでしょうか。

 

以前、ストリートチルドレンに対するワークショップ手法のひとつとして学んだことがあります。

路上の生活でもできる衛生面の改善についてでしたが、せっかくのワークショップも参加者が少なければ意味がありません。食事やスナックを提供することで、普段満足に食事ができない子どもたちが多いので、一次欲求も満たしながら、生活に関する知識も学んでいってもらうことができるんですね。

ただし食事だけとって帰る子どもも多いので、プログラムが終わってから、余裕があれば休憩時間での提供が大切だそうです。

 

当たり前の話かもしれませんが、私自身、なんでこんなに食事を用意しているのか疑問に思ったことがありました。行っていることひとつひとつに意味があるのですね。

食事提供で実施側・参加者どちらも満足できるものにするための工夫が随所に見られました。

 

保護観察士でも食事提供をして参加率を高めているのは、とクライアントの間の信頼関係は必要不可欠であるからです。それがクライアントが社会復帰したあとの行動に大きく影響してきます。

  

クライアントの進む道 

TC開始時にはTC Missionの朗読があり、クライアント全員で手を繋ぎます。

これには『自分がここにいる意味』、そして『 自分一人ではない』ということを認識させるためにあるそうです。

 

このコミュニティはクライアントたちが安心して自己開示をできる場所であり、社会復帰をした際にも相談しに来ることのできる場所です。

 

一度犯罪に手を染めてしまうと、繰り返してしまうことも多い傾向があります。実際に仮釈放中のクライアントは、再犯の人が多いそうです。

 

再犯のリスクを減らし、保護観察士や他のクライアントとともに社会復帰に向けた準備を進めていきます。何度も同じ過ちを繰り返さないように更生していくことがとても重要です。 

 

そしてここでの学びは、クライアント内にとどまらず、地元の人との間でも活躍されることが見込まれています。 

ここで築けたような関係性を彼らの地元でも築いていくことが、本当の社会復帰。

 

 

自分ごととして

もし、自分の地元やコミュニティに彼らのような人々がいたら、快く受け入れることができるでしょうか。

 

信じてくれる人が一人でもいるだけで、彼らは変われるはずです。

私も、彼らを信じる人のうちの一人になりたいと強く思っています。

 

フィリピンで過ごした1年間 — ケソン・保護観察局・フィリピン大学

 

こんにちは。シキテンです。

 

2017年3月から2018年2月まで、あしなが育英会の海外留学研修制度を利用して、フィリピンので1年間を旧首都であるケソンで過ごしました。

 

フィリピンでの活動内容はこの2つ。

保護監察局(Department of Justice - Parole and Probation Administration: DOJ-PPA)でのインターンシップ

フィリピン大学(University of the Philippines: UP)での聴講

 

今回は、ケソン市とそれぞれの機関の特徴について、紹介したいと思います。

 

 

ケソン(Quezon City)

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フィリピンの旧都市である、ケソンは、首都マニラから北東に隣接しており、メトロ・マニラ(マニラ首都圏)で最も広い1/4の面積を占める都市です。

メトロ・マニラとは、首都圏(National Capital Rgion, NCR)と重なる都市群で、マニラ市を中核とした政治、経済、交通などの中心地であり、16市1町によって構成されています。首都マニラと混合されやすいので、首都は「マニラ市(Manila City)」とマニラ首都圏は「メトロ・マニラ(Metro Manila/ NCR)」と区別して呼ばれています。

 

ケソンは、1976年6月までフィリピンの首都として開発、機能していた都市であるため、現在も多くの行政機関が残っています。

広い土地を活かした計画的な都市開発を特徴としており、国立フィリピン大学、名門私立大学や病院、研究所、造幣局などの公共機関も多いほか、自然の多い落ち着いた住宅街が広がっています。

 

「ケソン」という都市名は、アメリカ統治下の自治政府フィリピン・コモンウェルスの初代大統領である、マニュエル・ケソンの功績から名付けられました。

 

 

 

フィリピン法務省保護観察局

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フィリピン法務省保護観察局 DOJ-PPA とは

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(DOJ-PPA : Department of Justice - Parole and Probation Administration) 

 

 

日本にもある法務省と同じ機関で、保護観察局は内部部局の1つです。日本では保護局と呼ばれています。

  

保護観察局では、保護観察士が「クライアント」と呼ばれる、犯罪に手を染め保護観察下に置かれている人々や、仮釈放中の人々の更生活動を行います。

 

 

保護観察局の活動

法務省保護観察局では、クライアントの厚生活動を行っています。

保護観察士は、法廷審問(裁判の公聴)、クライアントの家庭訪問、面談、状況把握、Therapeutic Community: TC の実施(月1〜3回)、イベント実施などを行っています。

 

私は主に、TCやイベントでの補助を行い、現地の人々やクライアントと関わっていました。また次回、紹介したいと思います!

 

 

Therapeutic Community: TCとは

治療共同体(ちりょうきょうどうたい、Therapeutic community、TC)とは、精神疾患パーソナリティ障害薬物依存ホームレス、女性や児童青年らに対しての長期的な参加型集団アプローチである[1][2]。このアプローチは、環境療法の理論をベースとし、さらに集団精神療法を実施するものである。現在は世界65カ国で取り入られている[1] 

 

保護観察局では、社会復帰に向けたプログラムとして、精神衛生や本人の人格を最大限に活用する方法などの講義を行ったり、実践型学習として講師を呼び、石けんの作り方や料理教室を開講していました。

 

保護観察局のTCはPhase1~4の4段階があり、1回ごとにマニュアルもあります。

全員Phase1からスタートして、Phase4まで終了後、社会復帰できるという仕組みになっています。

もちろん、宣告期間が短いためPhase4まで参加する必要のない人も、途中で再度刑務所に戻らなけらばならなくなった人もいるので、例外は多いです。

 

クライアントの状況把握だけでなく、安心して社会復帰できる環境や心境を整えるのも、保護観察士の大きな役割です。 

  

 

フィリピン大学

 

フィリピン大学(University of the Philippies:U.P.)は、フィリピン共和国を代表する国内唯一の国立大学です。

 

各地に10のキャンパスと1のオープンユニバーシティを展開しており、私はフィリピン大学ディリマン校(University of the Philippines Diliman:U.P.D.)で聴講していました。

 

フィリピン大学のなかで最も大きなキャンパスがディリマン校で、キャンパス内はジープニー(乗合タクシー)が走り、東京ドーム約100個分の広大な敷地を移動することができます。生徒数は約23,000人で、学部数も最大を占めています。

 

 
言語の特徴

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他の有力私立大学と異なり、タガログ語で開講されている授業が多いことが特徴です。

英語で開講されている授業であっても、フィリピン特有の「タグリッシュ(タガログ語と英語が混ざった語)」が混ざったり、ジョークを言う際はタガログ語だったりするので、タガログ語を修得できていない私にとっては、戸惑う場面も多かったですが、クラスメイトがよく説明してくれました。

 

 

学生の特徴

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フィリピン大学は、国立大学であり最難関の大学であるため、名門私立大と同じような家庭の学生も、経済的に厳しい家庭環境で必死に勉強したり、言語が異なる地方から入学した学生もいるので、現地の学生だけでも幅広い多様性を感じられます。

 

また特徴的なところは、フィリピン大学はほかの大学と比べて政治関連のイベントが多いです。学内でデモが行われたり、多くの政治関係の学生コミュニティが存在します。

 

これからのフィリピンを担う若者が多く集まっていることが要因なのでしょうか。

 

メトロ・マニラには、U.P.以外にも三大名門私立大学と呼ばれる、デ・ラ・サール大学(De La Salle University)、アテネオ・デ・マニラ大学(Ateneo De Manila University)、聖トーマス大学(University of Saint Tomas)をはじめ、有名大学が多くあります。

 

多くの私立大学は裕福な家庭で育っている学生が多く、特に上記の三大名門私立大学を卒業した人は、新卒でも管理職レベルからスタートできると耳にしたことがあります(昔の話かもしれませんが)。フィリピンでも、それだけ大学名のブランドがあるんですね。

 

 

課題の量

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フィリピン唯一の国立大学、そしてトップの大学ということもあり、課題の量が尋常ではありません。

図書館や空き教室は勉強している学生でいっぱいで、私も同じ寮に住む学生も寮の学習スペースでよく勉強していました。

授業のレベルが高く授業についていくので精一杯ですが、課題はもちろん取り組まなければいけないので、当時はヒイヒイ言いながらこなしていました。

 

専門的な授業やレギュラー生が多い場合はこうなりますが、留学生が多い授業(フィリピン語初級など)はこの限りではなかったです。

 

現地人の友人と話すと、これはフィリピンの特徴というよりも、フィリピン大学の特徴だそうです。さすが、国のトップの大学です。

 

 

保護観察局とフィリピン大学

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今回は簡単にではありますが、2つの機関を紹介しました。 

 

フィリピン大学ディリマン校は、ケソンの観光スポットになるほどアクセスも良く、広大敷地にあるたくさんの緑とふれあうことができます。サンケンガーデンという大きな芝生のグラウンドの周りは、ランニングコースにもなっています。

 

また、インターン先にはフィリピン大学出身の方が多く、ここで学んだ学生の多くがフィリピンの行政に関わっていることを感じました。

 

フィリピンに行く機会があれば、フィリピン大学に訪問するだけでなく、学生と話してみて、日本の学生と共通しているところ、違っているところ、現地の他大学との比較をしてみるとおもしろいかもしれませんね。

 

 

フィリピン法務省保護観察局HP:http://probation.gov.ph/

日本の保護局HP:http://www.moj.go.jp/hogo1/soumu/hogo_index.html

 

Therapeutic Communityについてもっと詳しく知りたい方は、内閣府HPにある平成23年度調査の報告書を参考にしてみてください。

https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/drug-h23-us/pdf_index.html